ユースケースモデリングによる要求分析の文書化

- システムが提供する機能やサービスを、利用者観点で捉えるユースケースモデリングで要求分析結果を文書化する方式を採用
- ユースケースを表現するための図式として UML (Object Management Group が提案する Unified Modeling Language) 基準のユースケース図を利用し、分かりやすく表現している
データ指向設計によるソフトウェア設計

- 歯科医院システムのようにカルテを初めとする帳票類に表記される多様な情報を加工処理するシステムでは、データフロー解析による設計が適している
- システム上で利用される各種のデータや情報がどのように加工処理されていくかの表現として、データフロー図を使っている
ユーザーインターフェース設計上の工夫点
- 治療などに際し、最も重要な患者名などの情報は画面上部大きなフォントで明示
- 主訴、血液病、アレルギー情報など治療の際に確認が必要な情報についても見やく画面上部に表示
- 治療時に記録する歯列チャートは細かな確認や記述が可能なように、大きめに表示
- 基本的に診療に流れに沿って、左上から下部に向かって順番に利用する情報を配置し、診療が円滑に進むよう工夫されている
性能・運用・保守面での工夫点
- システム処理速度は医師が診察や治療の途中でカルテ情報を参照したり記入するため、数ミリ秒程度の高速応答時間を実現
- 患者情報や診察情報などの誤りをなくす工夫、個人情報のセキュリティ管理に関する技術の実装
- システム操作に不慣れな医師・歯科衛生士の誤操作防止や使いやすさに対する工夫
- 導入後の運用・保守のしやすさに対する工夫 - 保険点数や薬剤情報などの更新はインターネットで自動化
* 本記事は、オーム社刊「ソフトウェア工学」の著作権者の許可を得て一部転載させていただきました。